The Midnight Library by Matt Haig; 別の選択肢を選んだ人生を覗いてみたら
洋書はAudibleで読む(聴く)ことがほとんどだ。ゆっくり座って読書を楽しむ時間をとりづらいこともあるが、一番の理由は英語で長い本を最後まで読み切る体力がないことだ。上手なナレーターさんに読んでもらえれば、途中で息切れをしてもなんとか最後までたどり着ける。
人生のどこかのタイミングで異なる選択をしていたら、今頃どうなっていただろう?誰しもが考えたことがあると思う。The Midnight Libraryは人生に行き詰った主人公が、過去に異なる選択をした場合に生じ得た幾通りもの人生をお試しで経験するパラレルワールドものの小説だ。辛いことが重なってオーバードーズをした彼女は、生と死のはざまの間だけ滞在できる真夜中の図書館に入る。そこには、これまでに違う選択肢を選んだ場合の”人生”を描いた無数の本がある。ミステリアスな司書の案内に従ってそれらの本を開くと、異なるバージョンの”人生”に入り込むことができる。スターになったり冒険をすることになる選択もある一方で、些細と思った選択が他の誰かに大きな影響を与えることもあるということを彼女は次第に理解していく。
読後感が爽やかであった。小さなことの大切さを今一度確認する。ナレーションははっきりとした発音で聞き取りやすい。一つ一つのバージョンの”人生”が小話的になっているので、隙間時間を利用した視聴にも適していると思う。幅広い年齢層の人が楽しめる一冊である。